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 貴金属や宝石は庶民にとって手が出しづらい。ゴールド会員やプラチナチケットなどと、特別な価値を強調するときにも使われる。金価格は1キロ500万円を超え、プラチナは400万円近くになるとか。

 こちらは「白いダイヤ」と呼ぶにふさわしい。ニホンウナギの稚魚のシラスウナギが空前の不漁で鹿児島県産は年末、1キロ100万円という値を付けた。前年より20万円も高いというから驚く。

 もっとも国内外での漁獲量は鹿児島に限らず、どこも1年前の1%程度にとどまっているそうだ。このままでは、今夏の土用丑(うし)の日の値上がりは必至だろう。かば焼きが食卓からますます遠のいていく。

 ニホンウナギの古里は太平洋のグアム島周辺だ。黒潮に乗って台湾や中国、日本の沿岸に回遊してくる。漁獲量低迷の原因は環境破壊や乱獲とされる。海流や海水温の変化による影響もあるらしいが、詳しいことは分かっていない。

 希少なウナギを守るために完全養殖の実用化へ研究が進んでいる。産卵で川を下るウナギの禁漁期間延長も定着してきた。ただ、消費者の意識はいまひとつだ。環境保護団体の調査によると、絶滅危惧種だと知らない人は4割に上る。

 密漁や密輸といった闇取引もなくならないようだ。国際社会の目は、年々厳しさを増している。江戸時代から愛されてきた庶民の味はどうなるのか。もっと関心を持ちたい。