[基準地価] 地域の特色どう出すか
( 9/21 付 )

 国土交通省は7月1日時点での基準地価を発表した。

 商業地の全国平均が前年に比べ0.5%のプラスとなり、9年ぶりに下げ止まった前年から上昇幅が拡大した。

 地方の中核的な4市(札幌、仙台、広島、福岡)が平均7.9%上昇し、三大都市圏の3.5%を大きく上回る高い伸びを示すなど好調だ。

 一方、地方圏は全体で下げ幅が縮小したものの、7割近くで下落が続いている。都市と地方の二極化が一段と鮮明になり、歯止めがかからない状態だ。

 格差を是正するには地元企業や自治体が連携し、魅力的なまちづくりを進めるため知恵を絞る必要がある。

 基準地価は土地取引や固定資産税評価の目安となるものだ。人口の増減や景気動向を反映することから、地域経済の活力を示す指標といえる。

 都市部の地価が好調な理由はいくつかある。まず、訪日外国人旅行者の増加で、観光地ではホテルや店舗の建設需要が高まっていることが挙げられる。

 大都市の中心部でオフィスビルや商業施設の再開発が進んでいることも影響している。低金利が続く中、投資マネーが不動産に流れていることも背景にあろう。

 住宅地は全国平均でマイナス0.6%で、26年連続の下落となったが、下げ幅は縮小した。

 雇用環境の改善や住宅ローン減税などの影響で、需要が堅調なのが要因とみられる。

 鹿児島県内でも中心部と地方の格差が目立つ。

 商業地は県内平均で26年連続下落した半面、鹿児島市が前年から0.3%上昇し、10年ぶりにプラスに転じた。

 今春、商業施設が開業した与次郎地区は2.3%の伸びを示し、県内で最も高かった。再開発計画がある鹿児島中央駅や天文館一帯もプラス要因に働いた。

 地価調査鑑定評価員は「長年マイナスが続き、割安感から取引が活発化している」と説明する。

 住宅地の県平均は20年続けて下落したが、下落幅は7年連続縮小した。その土地の価値の最低水準に近づきつつあるようだ。

 都市と地方の環境はおのずから異なる。とはいえ、上昇地点には「人・モノ・金」が動く要素が存在すると専門家は指摘する。

 空き店舗の増加など地方の空洞化は深刻である。重要なのはいかに、自分たちが住む地域の特色を出すかではないか。そのために官民が協力して取り組むことが求められる。