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 ゴルフの帝王ジャック・ニクラウスは15歳のとき、全米アマチュア選手権で敗れた。「勝つには経験しかない」と励ましたのは、球聖と称されたボビー・ジョーンズだ。

 この言葉を胸にしまい、メジャー通算18勝の快挙を達成したと著書に記している。試合をこなし、輝く星になる。あこがれの球聖の背中を追い続けて、成長した競技人生だったに違いない。

 勝みなみ選手が史上最年少で女子ツアー優勝を飾ったのも15歳、鹿児島高校に入学した直後だった。アマチュアとして例のない2勝目を飾ってから、プロ転向を目指そうと決めていた。

 アマのタイトルは次々と獲得するが、ツアーは苦しんだ。17歳のときに出場し初日から首位を走った大会では、最終日にかわされた。「優勝するって難しいな」。勝負の厳しさを知って涙にくれた姿が思い出される。

 ゴルフは強い精神力を求められる競技である。重圧や不安に耐えながら前向きに技を磨いた試練の日々だっただろう。2勝目は挙げられなかったが、この夏、19歳でプロテストに合格しデビューを果たした。

 「ほっとした」という母親の言葉に地元ファンとして共感する。ニクラウスは「勝利するということは、その何十倍もの敗北を経験するということだ」と説いている。みなみさんが尊敬する宮里藍選手は今季で引退だ。経験を積み重ねて熱視線を集めるプロに育ってほしい。